刺しゅうの一針に込められているもの
パレスチナの女性たちの民族衣装は、襟から胸、袖、裾に施された豪華な手刺しゅうが特徴です。かつて、女性たちは自分の衣装を好みの刺しゅうで飾りました。
古くは手織の木綿に色糸で簡単な刺しゅうを施していたようですが、19世紀以降は、外国文化の影響も受けて、模様も色も素材も非常に手の込んだものになっていきました。大英博物館にも多くのコレクションがあります。
パレスチナの刺しゅうはすべて手で刺しゅうされていて、一針一針大変な時間と手間がかかっています。色や模様には作り手の独創性が入っていて、一点ものが少なくありません。
伝統的な模様には花や木、星や月など生活の身近にあるものをデザインしたものが多く見られます。同じものをデザインしても、町や村によって少しずつその形は異なり、その人が身につけた衣装の刺しゅうを見れば、出身地がわかると言われています。
![]() | 地中海沿岸にたくさん自生している糸杉は、パレスチナ刺しゅうの特徴的なモチーフです。地域によって少しずつデザインが違います。レバノンの難民キャンプは、パレスチナ北部のガリラヤ地方や沿岸部の出身者が多く、繊細で軽やかな色と柄が特徴的です。刺しゅうは、パレスチナの伝統と誇りを伝える文化的な意味も込められています。 |
| ガザの向こう側、シナイ半島の先にはアフリカ大陸が広がり、砂漠の遊牧民ベドウィンもガザにはたくさん住んでいます。ガザのアトファルナろう学校で作られた刺しゅうは、こうした風土を背景にしたビビッドなカラーが特徴です。また徹底した製品管理を追及しているので、縫製なども優れ、立体的なポーチなどがあります。 | ![]() |






