ガザ農業支援

ガザは長年の占領に加えて、封鎖による人・物の出入り制限やたび重なる軍事侵攻で産業基盤が破壊され、人口の8割が援助物資に頼った生活を送っています。
生産活動の促進と食糧自給率の向上、封鎖された状況でも持続できる農業モデルの確立を目指して、ガザで農業の支援事業を展開しています。

※封鎖の影響、水不足、環境汚染...。ガザの農業は様々な問題を抱えています。

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活動概要

期間2009年~(継続中)
地域パレスチナ・ガザ全土
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種子バンクの設立

種子バンクの設立

-地元女性グループのエンパワーメント
-専門家による技術支援
-資材の提供

ガザでは作物の種子もほとんどイスラエルに頼っていました。在来種の自家採種に取り組んでいた地元の女性グループ「農村女性による開発の会(RWDS)」の組織化を支援して「種子バンク」を設立しました。自家栽培の種子は市販の種より収穫量は劣るものの、土地に合った強さを備えています。
収穫した種子は栽培・販売の他、農業研修など他の事業でも活用されています。

「種子バンクは地元でとても話題になっています。メンバーの女性たちも新しい農業技術を獲得して、自立しているという自信を持っています。」(農村女性による開発の会(RWDS)世話人)

若手農業人材の育成

若手農業人材の育成

大学農学部卒の若者を対象にした10か月間の研修を毎年行いました。大学の実習農地は軍事侵攻で破壊されたため、野菜や果樹の育苗を中心に、農場での実習に力を入れています。研修で栽培した苗は、小規農家や深刻な戦争被害を受けた農家、学校などの施設に配布しました。

「父の勧めで農学部に進みました。大学では実践的な講義がなく失望していましたが、研初めて農業の面白さが判ってきました。留学して博士号を取り、ガザの農業でメディアを活かした改革ができないかと考えています」(研修参加者)

農業技術の伝播・推進

農業技術の伝播・推進

-農家の能力強化研修
-日本人専門家の派遣
-展示農場の開設

研修ではコンポストや減農薬・減肥農業など環境保全型の農業技術を指導しています。また日本から専門家を派遣し、土壌由来の伝染病や荒天に強い野菜苗の"接木技術"の指導を行いました。実習農場を開放し、展示農場には1年で800人以上の農業関係者が見学に訪れています。

節水型農業の普及

節水型農業の普及

(現地の団体が作成した節水型農業の普及を呼びかけるポスター)

-節水型農業の指導・普及
-家庭雑配水再利用の指導・普及

水不足や水の汚染が深刻なガザで、簡易土壌水分計を用いた節水型農業や、ろ過装置を用いた家庭雑配水の再利用の指導と普及を図りました。
その他、井戸の掘削や「環境保全型農業ガイド」、各種農業技術の紹介リーフレット、節水農業の成功事例集の作成・配布などを行っています。

現地レポート

2013年ガザ農業支援事業 進む農家と研修生の関係づくり [サラーム No.98 2013.11.16] (PDF 0.67MB)
人材育成は農業事業の大きなテーマの一つです。研修生が育苗の一連の流れを経験し、農家と対話することにも重点を置いています。研修生の声を紹介します。
ガザ農業支援事業 [サラーム No.96 2013.6.8] (PDF 2.36MB)
現地NGOのPARC(パレスチナ農業開発協会)と共に進めてきた人材育成、育苗による農地復興、水資源保全、農業技術普及など、2年目の成果をご報告します。
水資源・普及・接木 ガザ農業事業2年目の取り組み [サラーム No.92 2012.5.18] (PDF 0.76MB)
2011年 3月に開始したガザ農業事業も2年目へ。研修農場での実習時間数をさらに増やし、日本が得意とする"接木技術"を育苗活動へ導入するなどの取り組みを行います。
「苗も人も育てる」ガザの農業事業 [サラーム No.91 2012.2.18] (PDF 0.80MB)
「種子バンク」(自家採種)から始めた農業支援。人材育成と苗作りを中心とした本格的な事業に拡大して1年目のレポートです。
軌道に乗ったガザの農業事業 [サラーム No.90 2011.9.24] (PDF 0.34MB)
2011年3月に始まったガザの農業研修事業は半年が過ぎました。座学だけではなく、圃場での実地訓練や農業関連施の視察などを採りいれた実習プログラムにも力を入れています。
アハマド・スーラーニ(PARC)来日報告会 [サラーム No.90 2011.9.24] (PDF 0.14MB)
ガザから来日したPARC(パレスチナ農業開発協会)のアハメド・スーラーニさんによる、農民たちへの支援、女性と農民によるがコミュニティ開発支援などについてのお話です。
ガザ 種子バンク:食料の確保と翌年の生産が可能に [サラーム No.88 2010.11.20] (PDF 0.55MB)
種子バンク事業の参加者、地元の草の根NGO「RWDS」、技術指導のパレスチナ農業開発協会(PARC)などが振り返りの会議を開きました。
農業支援を始めます [サラーム No.84 2009.10.17] (PDF 0.36MB)
封鎖で種子さえ入ってこない中、たくさんの種類の野菜の種子を自家栽培・保存し、広める「種子バンク」プロジェクトがスタートしました。