
- アトファルナの開校
- 「家に引きこもって孤立している子どもたちと苦しむ親を何とかしたい」。初代校長・ジェリー・シャワさんが、ろう学校開校当時の様子を語ってくれました。
(手話で「アイ・ラブ・ユー」!)
ガザには、少なくとも1万5千人以上の聴覚障がい者や、数万人の様々な障がいを持つ人々が暮らしています。障がいがあると日常生活上の不便があるだけでなく、差別や就労の困難などにもさらされます。また戦争などの非常時には、危険情報の入手が遅れたり支援から取り残されがちになります。
パレスチナ子どものキャンペーンは、こうした社会的に弱い立場にある人々を優先的に支援しています。「アトファルナろう学校」支援もその一つです。
期間 | 1992年~実施中 |
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地域 | パレスチナ・ガザ(ガザ市) |
1992年、地元の女性たちと、ガザ初のろう学校「アトファルナろう学校」を開校しました。以来、20年以上支援を続けています。
ガザで聴覚障がいを持つ子どもたちには学ぶ機会も福祉サービスを受けられる場所も一切なく、子どもたちは家に引きこもるしかありませんでした。しかし「アトファルナろう学校」ができたことで、子どもたちは手話を覚え、それぞれの能力を開花させて自立できるようになっています。
開校当初、27人で始まったろう学校には、今では3歳から15歳まで、およそ350人の生徒が通学しています。
一般の学校と同じような教科学習や、美術、体育などの授業も行われています。また、2005年からは社会参画と自立支援を目的とする職業訓練コースも開始し、70人を超える青少年がパレスチナの伝統刺繍や織物、工芸品の製作、調理、接客サービスの指導を受けています。
ろう学校の卒業生たちは、職を持ち、家庭を持ち、市民としての誇りを持って生活をしています。
その他、聴覚検査や補聴器の修理部門、障がい者家庭へのソーシャルワーク、クラフトショップ、手話講座などの活動も行っており、総合的な専門機関としてガザのろう者のネットワークを支えています。
「アトファルナろう学校2016」
幼稚園、小学校の子どもたちと、お父さんの手話教室の様子を動画でご覧ください。
「アトファルナろう学校2016」(YouTube 9分15秒)
ガザでは乳児健診が十分でないため、聴覚障がいの発見が遅れ、乳幼児期の適切なケアと支援が行われないままになるケースが多くあります。
2015年、乳幼児の聴覚検査と早期支援事業を開始しました。
-専門家とソーシャルワーカーが各地域の診療所・幼稚園などを回り、5,000人の子どもを対象に検査を実施。
-脳波測定による聴こえの有無の確認
-子どもと家族の支援
(家族の心理サポート、ろう学校・職業訓練・手話教室などの紹介、家族のための手話講座、など)
-補聴器の提供
-コミュニティの啓発活動
-聴覚障がいのある子どもに対する支援ガイドライン作成