女性支援

女性支援 女性支援

失業率が高く子どもが多い社会で女性が担う役割は非常に多いのが現状です。
ガザでは、女性の死亡率一位が乳がんです。乳がんに対する偏見や差別も多く、発見が遅れ、手遅れになるケースも多くあります。 また、毎年、約6万人の新生児が誕生しているガザでは、妊産婦死亡率が増加傾向にあり、貧血や栄養失調の問題も抱えています。児童館では親子で参加できる写真展の開催や育児の相談や意見交換などができる場を母親にも提供しています。
レバノンでは、先の見えない長引く難民生活にうつ症状を見せる女性たちへのカウンセリングやストレス緩和ワークショップなどを行なっています。

女性支援の概要(ガザ)

期間 2016年〜
場所 ガザ

現在の支援活動
経済封鎖や戦争、COVID-19により医療へのアクセス、医薬品が不足しており、女性たちを苦しめています。コロナ禍においても患者受け入れやサポート、啓発活動を継続しています。

保健医療支援
保健医療支援

期間 2016年〜
場所 ガザ

現在の支援活動
経済封鎖や戦争、COVID-19により医療へのアクセス、医薬品が不足しており、女性たちを苦しめています。コロナ禍においても患者受け入れやサポート、啓発活動を継続しています。

母子保健

1歳児以下の75%が栄養失調状態
妊婦と乳幼児に保健支援

保健医療支援

ガザでは毎年5万人以上の新生児が誕生している一方で、妊婦の42%は貧血、18%は栄養失調を抱えており、貧血による死亡率が上昇しています。また1歳児以下の75%が栄養失調状態と言われ、乳幼児24万人が栄養サポートを必要としています。就学前児童では貧血率が31%と高く、食料不足は人口の68.5%に達し、栄養バランスの良い食事を摂取している子どもは14%しかいません。また、寄生虫やビタミンの欠乏も多く見られます。
新型コロナウイルスのロックダウンによりクリニックの閉鎖や移動制限がある期間は、無料のホットライン相談を実施。住民への働きかけを強めるための活動も行っています。

  • 保健医療支援 保健医療支援
  • 保健医療支援 保健医療支援
  • 保健医療支援
  • 産前検診・出産した女性と新生児への産後ケア

    乳幼児健診の実施、栄養失調の子どもたちに補助食品や栄養剤の提供

    女性と子どもにカウンセリングを実施。重度の場合は専門機関へ紹介

    栄養や子育てに関する講習会開催

    看護師や助産師研修開催。また地元の女性を母子保健推進員、ピアエデュケーターとして育成

乳がん

乳がんを早期発見し未然に防ぐ
術後も女性が安心して生活できる支援

保健医療支援

ガザでは、女性の死亡率の第一位が乳がんです。5年後の生存率は40%以下(日本70%以上、イスラエル60%以上)です。正しい知識がないために、いたずらに恐怖を抱いたり、患者への偏見があったり、手術や抗がん剤治療への理解がないため離婚されたり、うつ状態になる女性がたくさんいます。またガザの中では抗がん剤治療や手術はできますが、放射線治療ができないため、ステージ4 の死亡率は7割近いと言われます。
こうした状況を変えるため、乳がんの早期発見と啓発、患者さんたちの支援を2016 年春から続け、以下のような活動を行っています。

    積極的な啓発活動

  • 講習会

    ガザの各地で、乳がんを正しく理解し、自分で早期発見するための講習会や家庭ミーティングを開催。

    知識の拡散

    ラジオで番組放送。テレビ広告のビデオ制作放映。またガザでも多くの人が使っている携帯電話のショートメッセージ(SMS)送付。パンフレットや小冊子作成及び配布。

    検査を受けるための費用援助

    保健医療支援 保健医療支援
  • 患者さんに寄り添う

  • 治療中や術後支援

    乳がん治療中の女性たちに、治療費の一部補助、ソーシャルワーカーによる訪問、患者さん同士の交流、夫など家族の支援、ガザでは受けられない放射線治療をイスラエルで受けるための交通費補助、手術後の補正ブラジャー支援、治療中のウィッグ支援などを行っています。

    保健医療支援
  • イベント活動

    世界的な乳がんの日にあわせて、患者さん、医療関係者、NGO などが参加するイベントを開催しました。この事業は、「国連人口計画」と当会が中心になり、ブレイジ難民キャンプのそばにある「女性保健センター」など、ガザの医療 NGO、病院、患者グループなどと連携した事業です。
    今後も、ガザの中の多くの医療機関との連携を強めて、疑いのある場合に精密検査をできるだけ早く受けられるようにする、各医療機関で患者さんのデータが共有できるようにする、などを進める予定です。

    保健医療支援
  • 女性たちの声 ~女性保健センターで支援をしている人たち~

  • ●乳がんの早期発見と患者と家族支援

    ガザの女性がおかれている現状と活動内容をご紹介いたします。
    女性保健センター所長フェリアルさん、現在支援を受けているサミイラさんとソマイヤさんにお話を伺うことができました。

  • ●ハヤさん(40 代)

    乳がんだと診断されたのは2015年12月です。違和感があり大きな病院に行きました。そこでは乳腺線維症と診断されましたが不安は消えず、女性保健センター(WHC)に来たのです。検査の結果乳がんと分かり、1週間後には治療が始まりました。本当に落ち込んだのは最初の1週間で、その後は夫とWHCに通い始め、治療や薬、栄養、またカウンセリングを受けるようになりました。WHCは検診費用、薬やビタミン剤なども提供してくれます。
    治療で一番つらかったのは化学療法でした。治療そのものと副作用で髪を失い、身体的にも精神的にも大変でした。また病院での待ち時間やシステムも大きな負担となりました。
     ショックを乗り越え受け入れられるようになったのはWHCによるサポートが一番大きかったです。コーディネーター、担当医、他のスタッフも皆精神的に支えてくれました。最初はショックを受けていた夫もいまでは支えてくれていますが、私がショックを乗り越えるのに必要な99%はWHCからもらい、1%は夫と子どもたちからもらったと思います。

  • ●サウサンさん(50 代)

    乳がんが見つかったのは2004年で、授乳していた時におかしいと思ったからです。乳がんだと診断されて乳房の切除手術を行いました。その日、夫から「もうお前は女性でも妻でもない」と離婚を告げられ、私と6人の子どもを置いて出ていってしまいました。その後は一人で子どもたちを育てながら闘病を続けました。生活は知人や社会手当や寄付に頼って生活しています。最近結婚した長男が運転手をしながら何とか家族を支えてくれます。娘の一人も結婚しました。
     2010年には良性腫瘍が見つかった子宮を取り除き、2014年には脳腫瘍も摘出しています。これまでにかかった治療費や病院への交通費は近所の人に借りてきたため、返済しなければならないお金もたまっています。WHCには経済的な支援や治療面だけでなく、子育ての相談もしてきました。乳がんになっても他の母親たちと違わないこと、子どもたちにどう接するかを教えてくれました。
     一番悲しかったのは夫が去ったことです。しかし子どもたちに囲まれて生活し、彼らも母親に愛情や思いやりを持って成長してくれたことはとても幸せでした。また、WHCのリクリエーション、イベントなど、他の患者と交流できる集まりに参加することをとても楽しみにしています。

女性支援の概要(レバノン)

期間 2012年〜
場所 レバノン

現在の支援活動
コロナ禍においても、高リスクの妊産婦への育児に関するワークショップや女性へのストレスマネジメントのためのワークショップなどを開催しています。

心理的なサポート
心理的なサポート

期間 2012年〜
場所 レバノン

現在の支援活動
コロナ禍においても、高リスクの妊産婦への育児に関するワークショップや女性へのストレスマネジメントのためのワークショップなどを開催しています。

  • 育児ワークショップ

    コロナ禍で、高リスクの妊産婦との対面ワークショプは中止し、通信アプリを通じて参加者のチャットグループに情報を発信する形に変えて実施しました。テーマも「陽性者でも授乳できるか」などの情報提供やWHO等が作成した動画を共有することで、女性たちの不安を解消するための活動を継続しています。

    保健医療支援
  • ストレスマネジメント

    十分な感染対策を行いながら、少人数でのストレスマネジメントのためのワークショップを開催。多くの女性が家事負担の増加や外出機会の減少、健康面の不安など、これまで以上に多くのストレスを抱えています。継続してワークショップを行うことで、リラックスする時間を得ることができ、ストレス緩和につながっています。

    保健医療支援

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