ホーム > 私たちの取り組み > 児童館支援

児童館支援

児童館支援 児童館支援

ガザ地区では15才以下の子どもが人口の過半数を占めています。2006年以来続く封鎖で陸の孤島となったガザの厳しい環境は、子どもたちの生活や健康、心理にも大きく影響しています。また、断続的に起こる戦争や空爆も、子どもたちに大きな影響を与えています。ガザの子どもたちが安全な場所で安心して自分を解放でき、たくさんの学習体験をし、自信を持って成長していけるように、「ナワール児童館」を設立しました。以来、長期にわたる支援を継続しています。

児童館支援
「ナワール児童館」とは開く

パレスチナ子どものキャンペーンと地元のNGOが協力し、ハンユニスの貧困地区に設立した参加型の児童館です。
児童館には300人以上の地域の小学生が登録し、学校で手薄になっている図画工作、音楽、演劇などの情操教育や、補習、スポーツ、遠足、社会見学などの各種イベントと、多彩な活動に参加しています。また、パソコンや写真・動画、アニメーション制作などの体験学習や、身の回りの社会問題を自分たちで取材し考えるといった、自主性と行動力を養う機会も提供されています。企画やルール作りには子どもも参加することができ、閉鎖的な社会で自分の意見を発信したり、自信を養いながら成長できる場となっています。

ナワールの子どもたちの作品集開く

子どもたちが児童館で制作した絵画やアニメーションなどをご覧ください。絵をクリックするとたくさんの作品がご覧いただけます。

  • 「飛行機が爆弾でなく、楽しいことやきれいなものを運んできてくれたらいいのに」
  • 「封鎖されたガザ」
    町を取り囲む封鎖網のところどころに検問所が設置されています。
  • 「私たちはここを通りたい」
    検問所の前でたくさんの人が待っています。一人の男性が監視塔の兵士に向かって叫んでいます。「私たちはここを通りたいんだ。封鎖をやめてくれ」。
  • 「ガザの商店街」
    封鎖で物資の流入が制限されているため、ほとんどの店が「閉店」の看板を出しています。一軒だけ開いている薬局の戸棚もほとんど空っぽで、「薬はありません」という表示が出ています。
  • 「ラファ交差点」
    人々が"包囲するな"というプラカードを持って封鎖に抗議しています。撃たれて倒れている人もいます。
  • 「ゲートの前」
  • 燃料も車も限られるため、1台に車に大勢の人が乗っています。
  • 「カルニ検問所」
    主に物資の往来に使われる検問所(現在は閉鎖中)。検問所の前ではたくさんのトラックがただ待つしかありません。
  • 「ガザの海」
  • 「ガザがこんな平和でのどかな風景になればいいのに」
  •  

児童館にこめた願い

「"難民"、"無国籍者"と言われてきた私たちだからこそ、子どもや若者には個人としての「私」を確立してもらいたい」。ナワール児童館には創設スタッフの強い願いが込められています。

児童館支援
STORYを読む

    STORY

    児童館にこめた願い

    「"難民"、"無国籍者"と言われてきた私たちだからこそ、子どもや若者には個人としての「私」を確立してもらいたい」。ナワール児童館には創設スタッフの強い願いが込められています。

    児童館支援
  • 活動の始まり

    1991年、ちょうど最初のインティファーダの時期、地元の5人の女性が集まって、子どもたちのための支援を何かできないだろうかと相談しました。イスラエル軍の攻撃でたくさんの子どもたちが精神的にも肉体的にも傷ついていました。
    最初は6歳から12歳の子どもたちを対象に、子どもたちが思いを自由に表現できる場を作ることから始めました。まず、ハン・ユニスの難民キャンプで活動している国連(UNRWA)にコンタクトして、今は誰も使っておらずゴミ捨て場になっている元国連の建物を貸してもらえないかと交渉しました。同時に地域の人たちに、「ここに汚水が溜まりゴミ捨て場になっている場所がある。一方で子どもたちが行く場所がなく、たむろしてすごく危険な状況になっている。この二つの問題を同時に解決できないだろうか」と提案しました。地元の力を借りて清掃し、建物にペンキを塗り、ごくわずかな資金でセンターを開くとともに、指導者養成を始めました。センターの中に図書館、劇のスペース、図工室、おもちゃ、スポーツ、音楽の場所を作りました。これが「シルク・アマル(希望の光)センター」です。もちろん当事者である子供たちの意見を聞くことも忘れませんでした。100人の子どもを集めて会議を開きました。「ここに場所があって、こういう道具があるけれども、あなたたちは何をしたいの?」。これが私たちの活動の始まりです。

  • 「ナワール児童館」の誕生

    その後、2005年5月にパレスチナ子どものキャンペーンと計画を立て始め、翌年6月に「ナワール児童館」をオープンしました。計画では一日に120人の子どもを受け入れるつもりでした。小学校が、子どもの数に見合う教室が無いため午前と午後の二交代制になっていたので、それに合わせて児童館も午前と午後、それぞれ60人ずつと考えていました。しかしオープンすると一日に600人が来たこともありました。資金の限界で職員を増やせないので、地域の若者たちをトレーニングして、ボランティアとして活動してもらっています。
    この児童館も「子ども参加型」で、「ナワール(ほころびかけたつぼみ)」という名前も子どもたちが考えました。子どもの議会があり、児童館の決まり事も子どもたちが決めることになっています。参加したい子どもたちは登録をし、わずかですが会費も出します。それは「サービスを提供してもらう」のではなく「責任ある参加」という意識を持ってもらうためです。

  • すべてがチャレンジ

    児童館があるのはガザの中でも最も貧しいと言われている地域です。オープンから最初の三か月間は何もできませんでした。想像を超える数の子どもが来て、彼らはともかく嬉しくてテンションが上がって周り中で騒いでいるんです。それまでは、子どもたちが自由に遊べる空間が無かったからです。
    児童館を始めるにあたっては、地域の会社や学校、個人、自治体に、寄付や協力を依頼しました。オープンの時に一人一人の子どもが植樹した、その苗木も寄付されたものです。木を植えて終わりではなくて、その後の世話も子どもたちがしていきます。しかしガザでは水不足という問題があり、木を植えたら次の問題が出てくる。そのように一つ一つのことが私たちにとってはチャレンジです。
    私たちは活動の質を確保することを重要視しています。しかし、例えばゲームを使って算数を考える教材を開発したいと思っても、先ず、教科書や通学服がないために学校に通えない多くの子どもたちのことを何とかしなければなりません。プログラムの内容を向上させたいけれども、行く場所が無くて集まってくる子どもを放ってはおけません。経済的にも社会的にも深刻な、封鎖された状態で、スタッフの能力開発を考えてもガザの中では限界があります。私たちは他のNGOのスタッフにいろいろと教える立場にありますが、私たち自身が新たなことを学ぶ機会がないのです。

  • 子どもたちから子どもたちへ

    児童館では、子どもたちが自分でお話しを作って絵コンテにしてアニメ作品を作ったりします。古いテレビからブラウン管を取り除き、舞台の画面をつくって、そこでキャラクターが話をしたり動いたりします。私たちの社会には完成されたアニメが無いので、子どもたちがゼロから自分たちで作っていくという過程を踏んでいるのです。
    演劇グループもいくつかあります。子どもたちが自分の身の回りの出来事や関心事をテーマに、自分で言葉や身体的な表現にしていきます。グループの子がそれをやって見せると、見ている子どもの中から「もっと違う表現があるよ」とか「ぼくだったらこんな風に問題を解決するよ」と代わりにやってみる。これは問題をどうやって自分たちで解決していくのかということを一緒に考え、新しい方法を見つけ出していく手法です。音楽のグループは、まだ楽器が買えないので、缶とか瓶とかを叩いて音を出している状況ですが、今後はパレスチナの伝統的な楽器を一個ずつでもいいから買っていきたいと思っています。アートのワークショップも、身近にある物を使っていろんな作品を創っているところです。
    それぞれの部屋には、その部屋をどうやって使うか子どもたちが決めたルールが貼ってあります。ルールを破った子がいると、何が問題だったのか、それに対してどういう罰が適当かということを話し合い、最後は自分で決めます。「子どもたちから子どもたちへ」というプログラムもあって、何をしようかみんなで考えます。

  • 子どもたちに伝えたいこと

    パレスチナの若者にとって、「アイデンティティ」(私は誰か)と帰属意識というのは大きなテーマです。私たちは常に難民と言われ、無国籍者と呼ばれています。今は自治政府があるのでパレスチナのパスポートを持っていますが、かつて私たちが持っていたパスポートには「無国籍」と書かれていました。誰も私たちのことを認めてくれなかったのです。ですから、第一にその人個人としての「私」を確立するということ、二番目には文化や社会も含めての帰属意識を育むことを大事に考えています。
    パレスチナのように暴力で抑圧されている空間にいると、自分たちの無力さをいつも感じます。私たちが子どもと接する場合に大変気を付けているのは、子どもたちが参加し、そして自分たちで実際に何かを作り上げたということを実感できるようにしなければならない点です。そうしなければ、子どもたちは増々自分たちの無力さを確認することになるからです。

支援活動の概要

期間 2006年~実施中
場所 パレスチナ・ガザ(ハンユニス)

現在の活動
ガザの子どもたちが安全な場所で安心して自分を解放でき、たくさんの学習体験をし、自信を持って成長していけるように、「ナワール児童館」を設立しました。以来、長期にわたる支援を継続しています。

児童館支援
児童館支援

期間 2006年~実施中
場所 パレスチナ・ガザ(ハンユニス)

現在の活動
ガザの子どもたちが安全な場所で安心して自分を解放でき、たくさんの学習体験をし、自信を持って成長していけるように、「ナワール児童館」を設立しました。以来、長期にわたる支援を継続しています。

母子支援

児童館を母親たちの交流の場に。
母親も対象に月替わりのプログラムを開設。

児童館支援
  • トークセッションやレクリエーション

    また、児童館は地域の母親たちが集い交流できる場所にもなっています。母親を対象に月替わりのプログラムやセッションも行われています。

    児童館支援

学習支援

教材開発

閉鎖的な社会でも
子供達が自分の意見を発信する力を養う。

児童館支援
  • 多彩な学習プログラムを実施

    児童館には300人以上の地域の小学生が登録し、学校で手薄になっている図画工作、音楽、演劇などの情操教育や、補習、スポーツ、遠足、社会見学などの各種イベントと、多彩な活動に参加しています。

    児童館支援
  • メディアを活用した実技体験で
    自主性と行動力を養う

    パソコンや写真・動画、アニメーション制作などの実技体験や、身の回りの社会問題を自分たちで取材し考えるといった、自主性と行動力を養う機会も提供されています。企画やルール作りには子どもも参加することができ、閉鎖的な社会で自分の意見を発信したり、自信を養いながら成長できる場となっています。子どもリーダーが運営を任され、子どもたちも社会の主人公であることを学んでいます。

    児童館支援
  • オンラインでの制作活動や
    自宅でのロールプレイを実施

    コロナ禍で負担を強いられた子どもたちのストレスの軽減することをめざし、オンラインでできるアート、アニメーション制作の活動を増やしたり、親子の信頼関係の強化を目指して、SNSを通じて親子が参加できるグループワークやゲーム、家でもできるロールプレイなどを行いました。またリーダーシップの発揮、社会性や表現力の向上をテーマに活動したほか、地域や保護者にも積極的な参加を促しました。

    児童館支援

Photo Gallery

支援活動のレポート

  • ガザ 子ども支援継続中

    [サラーム No.98 2013.11.16] (PDF 0.93MB)

    ナワールの子どもたちは、レバノンのアーティストの絵画指導の下、「海はつながっている」という大きな作品を作り、岩手県大槌町の子どもたち(大槌町こどもセンター)にプレゼントしてくれました。

  • ナワール主導で学校現場が変わる

    [サラーム No.97 2013.9.14] (PDF 0.68MB)

    ナワール児童館では、文化活動だけでなく、学習の基礎を教える「補習クラス」を実施してきました。この経験を学校でも活かしてもらおうと、小学校教員への研修を通じて実際に学校現場で活用してもらっています。

  • ガザ・ナワールセンター 子どもから子どもへ

    [サラーム No.94 2012.11.17] (PDF 0.72MB)

    多彩なプログラムを子どもたちに提供し、図書館、コンピューター室、公園などの役割も果たしているナワール子どもセンターの活動をご報告します。

  • ガザ ナワール子どもセンター:冬休みイベント

    [サラーム No.91 2012.2.18] (PDF 0.74MB)

    ナワール子どもセンターの冬休みイベントの様子を紹介します。パラシュートゲームや宝探しなどで盛り上がりました。

  • ガザ ナワールセンターの子どもたちが書いた作文から

    [サラーム No.88 2010.11.20] (PDF 1.72MB)

    ナワールの子どもたちが「うれしいこと、悲しいこと」というテーマで書いた作文を紹介します。

  • ガザ ナワール子どもセンターの活動

    [サラーム No.86 2010.5.8] (PDF 2.32MB)

    ナワール子どもセンターの特徴は、子ども参加型、多彩なプログラム、音楽や演劇の要素など。活動の様子を所長のアマルさんに聞きました。

私たちの取り組みTOP