エルサレムでも様々な所でクリスマスマーケットが開催されていま
この写真はエルサレム旧市街(新門)の様子です。
エルサレムだけだはなく、ベツレヘムやナザレなどの都市も
クリスマスデコレーションや観光客で大変賑わっています。
各地で開催されているクリスマスマーケットには
パレスチナならではの陶器、刺繍、オリーブの木でつくられた
オーナメントにアラブスイーツのお店なども並んでいます。
レバノンの国全体が危機的な状況に陥っていく中で、日雇いの仕事もなかなか見つからず、最近は難民に対する差別や迫害が急激に増加しています。家賃の値上げや立ち退き、滞在許可がおりないといった問題や、学校に通えなくなる子どもも増えています。
レバノン政府は、毎月1,000人をシリアへ強制送還すると発表しました。今レバノンにいるほとんどのシリア難民は、街や家、家族を失い、シリアで故郷や行き先を失っているため、動揺が広がっています。
また、レバノンの若者は、海外へ出て行くことを考えていますが、観光目的にもビザを必要とし、ましてやパスポートを持つことができない難民にビザ取得は不可能です。
追い詰められ、危険を承知でボートや船で不法出国を図る人たちが増えています。先日も北部のトリポリから出航した船が転覆し、89人が死亡、20人以上が行方不明となり、その中にはシリア難民やパレスチナ難民も含まれていました。10歳から1歳9ヶ月の4人の子どもたち、一家全員、キャンプの若者が亡くなるといった悲しい出来事が後を絶ちません。
経済状況の極端な悪化によりインフラも崩壊。公共の電力は、1 日 1-2 時間しか供給されず、首都ベイルートの中心地でも夜間は真っ暗です。
余裕がある人たちはアパートの自家発電機による電気を購入していますが、5 アンペア (A)の電気代が1か月に150 ドルと日本と比較しても非常に高額です。(参考:日本の一人暮らしの住宅でも 20A 程度)
また、新型コロナウイルスの感染拡大、2020年8月にはベイルート港大爆発事故が起こり、200 人以上が死亡し、数千人が家を失いました。
ウクライナやロシアから多くの小麦を輸入していたレバノンでは、2022年のウクライナ危機により小麦の不足や価格の高騰にも苦しんでいます。
レバノンにはシリア難民のためのキャンプはありません。仕事がなく家賃が払えないため、山間部のテントやバラックで生活をする家族もいます。こうした難民の状況は報道されることも少なく、世界から忘れられ、国連機関などの支援金も年々減少しています。
限界まできている難民の暮らし
「先が見えず、もう限界だ」という声を聞きます。
今日よりも明日は良くなる、その希望が少しでも見出せるのであれば、「今日をがんばろう」という気持ちになれます。しかし、状況がよくならず、今の苦しい生活があとどのぐらい続くのか、どうなっていくのかという不安に苛まれて、ストレスから心身を病んでしまう方も少なくありません。
また最近は、新型コロナウイルスだけでなく、「コレラ」の流行も報じられています。
11月上旬に訪問したレバノン山間部のテント暮らす難民家族の声をご紹介します。
「食事は1日1食です。借金を重ねて生きています。
9人子どもがいて、上の2人は通学していません。
1番下の子は乳飲み子ですが、妻は母乳も出ません。
おむつも買うことができません。
死にたいと自殺を考えましたが、できませんでした。」(ムハンマドさん)
多くの方にこの現状を伝えるために、また難民の子どもたちに生きる力と食料を届けるために、この年末もクラウドファンディングを実施します。
クラウドファンディングはインターネットによる募金で、特にこれまで当会の活動を知らなかった新しい方たちに広げることを目指しています。
今回は学生や、グループでも協力しやすい寄付金額やリターン内容を設定しました。
情報拡散やSNSでのシェアなどでもご協力していただくことができます。
ご支援いただいている皆さまと一緒に盛り上げていければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【クラウドファンディング】
過酷な環境で暮らすレバノンの難民の子どもたちに
越冬のための食料を!
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■目標金額:150万円
■募集期間:
2022年11月29日(火)開始予定
~2022年12月31日(土)
■詳細ページ:https://readyfor.jp/projects/ccpjapan2022
■団体名:認定NPO法人パレスチナ子どものキャンペーン
*SNSでのシェアもぜひ、よろしくお願いします。
Facebook: @CCP.JAPAN Twitter: @ccp_ngo
ウクライナの港から小麦の輸出がようやく始まり、最初の船はレバノンに向かっているという報道がありましたが、レバノンの食料事情がどれだけ深刻なのでしょうか。
レバノンでは、小麦の輸入の8割をウクライナに依存しており、また2年前の港の大爆発事故で食糧貯蔵庫が使用不可になったことで、小麦の輸入、流通と主要な食品であるパンの生産、供給に多大な影響が出ています。
2週間前から、政府の補助金が出ているパンを購入するために、毎日パン屋の前で長時間行列を作り待たなければならない状況が発生しています(写真)。山間部にあるパレスチナ難民キャンプでは、3日間にわたりパンが入手できなくなりました。
ベイルートの市民によると「5時間待つこともあります。これ以外に私にできることはありません。先週は3日間パンなしで生活した日もあったんです。」
パン屋の主人「16日前からこの大行列ができるようになっていて、武器やナイフを持ち出す人もいます。」
経済危機が発生して以降、レバノン国内では分断が進んでいます。当局はその要因の一つに人口の5分の1を占めるシリア難民の存在を挙げていることもあり、レバノン国内では難民に対するヘイトスピーチが増加し、シリアへ帰るよう呼びかける声も増えているのです。一部のパン屋がレバノン人にしかパンを販売しないケースや、店の前の行列をシリア人とレバノン人で分けるケースが報道されています。
大量のパンを買い占めてブラックマーケット(適正値段の2倍以上の値段)で売っているシリア人がいることから、「こういった状況の中で優先されるのは『レバノン国民』です」とのある県知事の発言も、分断を激化させるのではと危惧されます。
2020年8月4日に発生したベイルート港大規模爆発事故から2年になりました。
200人以上が死亡、6000人以上が負傷をした事故は、ずさんな管理体制によって放置されていた2750トンの硝酸アンモニウムが何らかの原因で引火したことで起こりました。責任の所在はいまだに明確にされないまま、2年たった現在も街のいたるところに爆発の爪痕が見られ、多くの人々の心身状態に影響を残しています。
最近、爆発地点の隣の穀物貯蔵庫で火災が発生し、大きな被害を受けたこの倉庫が倒壊の危機にあることが分かりました。
レバノン保健省と環境省は、貯蔵庫が倒壊した場合、事故以降放置されていた腐敗した穀物や瓦礫が飛散し、港から半径1500mの範囲に影響を及ぼすと警告しました。この範囲にはオフィスビルや飲食店、住宅が多くあります。特に500m圏内は粉塵の影響が大きいため、貯蔵庫が倒壊した際には直ちに避難する必要があるそうですが、この地区には飲食店のほか、貧困地区があり、他に行くあてがないためその場にとどまる家族がいることも考えられます。
2020年の爆発事故によって30万人以上が避難したといわれるなか、さらに多くの人が厳しい状況に直面しそうです。
2022年6月時点の穀物倉庫(駐在員撮影)
爆心地の隣にあった穀物貯蔵庫は、爆発の影響を大きく受けたが、手つかずのまま残されている。
近づくと、建物の一部がえぐられていて今にも崩れそうだ(駐在員撮影)
昨年の戦争についてガザの現地スタッフたちは、「今までで最も辛い経験の一つを思い出すので、当時の話はしたくありません」、 「世界は毎日前進しているのに、ガザは後退しているように感じます。軍用機やドローンの音を聞くたびに誰もが戦争のことを思い出します。いま砲弾が飛んできても、飛び上がったりせず座ったまま様子を見ると思います。なぜならこの状況にすっかり慣れてしまったから。しかし、心には大きな傷があります」と、話してくれました。
一方で、ワークショップに参加したお母さんたちからは、「昨年のラマダンは戦争中だったので、今年のラマダンは楽しく幸せに感じました」、「ラマダン中はいろんな料理を作り、友人や親戚のみならず、家族と交流する時間も増え、関係が深まります」 とも聞きました。ガザ(写真上)でもエルサレム(写真下)でも、今年は街にラマダンを祝うランタンや飾り付けがされ、人々がイフタール(断食明けの食事)の買い物をしている様子が見られました。
東エルサレムやヨルダン川西岸では、現在も緊張が高まり、衝突が続いています。人々の小さな幸せだけでも壊されないことを祈るばかりです。(2022年5月17日)
皆さまからの越冬募金のおかげで、今回約600世帯(うち200世帯分がクラウドファンディング分)への配布が可能になりました。
北部から開始し、ベイルート、山間部と、助成金分と併せて合計3100世帯へ配布予定です。 ご協力いただき、誠ににありがとうございました!
詳細は、近日中にレディーフォーの新着報告にもアップする予定です。どうぞよろしくお願いいたします。