ガザの病院で500人死亡か 国連人道支援室速報NO11

2023年

国連人道支援室速報 No.11 (2023年10月17日) 

ガザ地区:死者数3,000人 (Al Ahli Arab 病院の死傷者を除く)、負傷者数12,500人
西岸地区:死者数61人、負傷者数1,230人
イスラエル:死者数1,300人、負傷者数4,229人

キーポイント
・この速報が作成された時点(22:00)で、ガザのAl Ahli Arab病院で数百人の死者が出たことが報告された。この病院では、安全な避難所を求める患者や国内避難民(IDP)を受け入れていた。
 ・戦闘が11日目に入り、イスラエルによるガザへの空、海、陸からの激しい砲撃は、ほとんど途切れることなく続いている。ガザ保健省によると、この20時間の間(17時30分現在)で192人のパレスチナ人が死亡し、ガザ地区での累積死者数は、少なくとも853人の子どもを含む3,000人に達した( Al Ahli Arab 病院の死傷者を除く)。さらに数百人が瓦礫の下敷きになっているとみられている。
・ガザの国内避難民の数は約100万人と推定され、そのうちの約35万2,000人が、ガザ中央部と南部のUNRWAの学校のみに滞在し、ますます悲惨な状況に置かれている。本日(10月17日)午後、約4,000人の国内避難民が避難しているガザ中心部のアル・マガジ難民キャンプにあるUNRWAの学校がイスラエル軍の空爆を受け、少なくとも6人が死亡した。
・国連人権事務所の報道官は17日、「ガザ南部に移動しようとした市民が爆発物によって攻撃され、死亡したという恐ろしい報告がある」と述べ、イスラエルに対し、「市民や市民の物を標的にしたり、地域砲撃や無差別、不均衡な攻撃を行ったりしないよう」求めた。
・ガザの完全包囲は続いている。ラファ検問所は閉鎖されたままであり、エジプト側で待機している食料、水、医薬品などの切実に必要とされている人道支援物資が入ることを妨げている。
国連人道問題担当事務次長補は本日(10月17日)、殺戮の中断とともに、援助物資の輸送を可能にする人道的な戦闘停止措置の必要性を強調した。
・ガザでは、7日連続で全面停電が続いている。本日、世界保健機関(WHO)は、ガザ最大の病院(Shifa)に現地で備蓄していた燃料をなんとか届け、あと数日間は発電機を稼働させることができるようになった。他の病院においても、必要最低限の容量で稼働している。
・すべてのニーズ(飲料、調理、衛生)に必要な水の平均消費量は、ガザでは現在、一人当たり一日3リットルと推定されている。安全でない水源からの水の消費量が増えており、死亡や感染症の発生の危険性がある。
・パレスチナの武装集団によるイスラエル人居住区への無差別ロケット砲発射は続いているが、イスラエル人による新たな死者は報告されていない(10月17日21時現在)。イスラエル当局によると、イスラエルでは全体で1,300人以上のイスラエル人と外国人が死亡しており、その大部分は10月7日に死亡した人たちである。
・ガザでは、イスラエル人や外国人を含め、少なくとも199人が拘束されている。10月16日、国連のマーティン・グリフィス緊急救援部長は、ガザで深刻化する人道危機とイスラエル人人質の行方について深い懸念を表明し、「彼らは直ちに解放されなければならない」と強調した。
・ヨルダン川西岸地区では、10月15日午後以降、イスラエル軍が3人のパレスチナ人を殺害し、10月7日以降のイスラエル軍と入植者による死者数は、子ども16人を含む61人となった。