食料不足のなかで迎えるイースターやラマダン
上)ラマダンのご挨拶 レバノン「子どもの家」より
4月、キリスト教徒はイースターを迎え、イスラム教徒はラマダン(断食月)に入りました。ラマダンの間、日没後の食事を「イフタール」と呼び、ナツメヤシやファトゥーシュ(サラダ)、マアムール(スィーツ)など、祝祭時ならではのご馳走を用意しますが、今年はそれも難しいようです。
一昨年から続く経済危機のなか、レバノンではパンの価格が3回にわたり値上げされ、倍以上の価格となっています。そのほかの食品も4倍近く高騰し、食料の80%を輸入に頼るレバノンでは、一般市民の食生活ですら危機的な状況にあります。ましてや難民や貧困層は必要な栄養素を摂取することができず、子ども達の成長にも暗い影を落としています。世界的にも食糧不足と飢餓が警戒されます。
レバノンでも新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されているものの、ビザのない多くのシリア難民は、接種登録すると強制送還されるのではないかと恐れて登録していないといわれます。レバノンでは、感染したパレスチナ難民の致死率は4倍に上るといわれます。当会では、感染予防対策が行き届かない難民に対して4月から情報提供や衛生用品配布などの支援を始めています。
下)アトファルナろう学校より
※本来、夜に賑わうラマダンのシンボルは、ランタンです。