5/11 国連の声明

2021年

以下は、511日に発表された「国連総会の下にあるパレスチナ人の不可侵の権利行使のための委員会」(General Assembly Committee on the Exercise of the Inalienable Rights of the Palestinian People、以下「パレスチナ人の権利委員会」)の声明である。

原文は、以下から

https://www.un.org/press/en/2021/gapal1437.doc.htm

国連パレスチナ人の権利委員会は、

アル・アクサモスクでの暴力、ガザでの暴力行為の拡大を深刻に懸念し、平和への「展望を救出」するため一層の努力を呼び掛ける

パレスチナ人の権利委員会を代表して、占領下パレスチナ地域の状況の劇的悪化に深い憂慮を表明する。それには、占領下東エルサレムにおけるイスラエル人過激派による暴力の拡大、挑発、扇動行為が含まれる。

本委員会は、本日アル・アクサモスク域内で、イスラエル軍が非武装の民間人にゴム弾、閃光弾、催涙ガスを発射したことにより、200人以上の礼拝者が負傷することとなった暴力行為に深刻な懸念を抱いている。本委員会は、礼拝者に対するそのような行為及び挑発、扇動、そして扇動的なレトリックなど全ての行為を非難する。

委員会は、本日、ガザ地区においてイスラエルが攻撃を拡大し、ミサイル攻撃を行い、少なくとも3人の子どもを含む9人が犠牲となったと報じられたことに震駭した。無辜の生命を奪うことを正当化することは許されない。民間人に対する無差別攻撃は全て停止されるべきである。

本委員会は、さらなる不安定化の見通しに深刻な懸念を抱いており、この危険な状況を緩和させるよう緊急の努力を呼び掛ける。暴力を停止し、無辜の民間人の命を守り、そして落ち着きを取り戻すことを目的にすることを目指す。国連安全保障理事会は特にこの点に責任を有している。理事会は直ちに、パレスチナ問題に関するその決議を守り、国連憲章に基づく義務を果たすため行動すべきである。国際的な平和と安全の脅威となっているこのような状況に麻痺していることは出来ない。

本委員会は、占領下の東エルサレムのシェイク・ジャラとシルワン地域に暮らすパレスチナ人家族の差し迫った追放に関しても深い懸念を表明する。シェイク・ジャラでは46人の子どもを含む169人が何世代にもわたり暮らす家から追放され、家を失うという差し迫った脅威に直面している。国連人権高等弁務官は、これらの行動は国際法の下で占領国であるイスラエルが負う義務の重大な違反にあたり、強制移動のリスクにつながる可能性があるため、中止しなければならないと警告した。

責任ある集団行動は、事態を緩和させ、東エルサレム含む占領下のパレスチナ自治区においてイスラエルが長期にわたり侵害してきた人道法、および人権法を含む国際法の違反に対する必要な説明責任を確保するために急務となっている。この点に関し本委員会は、全入植活動、家屋破壊、立ち退きやパレスチナ民間人に対するその他すべての集団的懲罰行為を含む違法なイスラエルの政策や慣行の停止を再度要請する。

本委員会は、「国際人道法及び国際人権法に基づく義務に則り、イスラエルは取り壊しと立ち退きを停止するように」という事務総長の明確な呼びかけ、また、事務総長が聖地エルサレムの現状維持と尊重を呼びかけたことを、ここに繰り返す。これには、アル・アクサモスク域内の歴史的、法的な現状維持の尊重、この聖地の神聖さの尊重、イスラム教徒が威嚇、脅迫、暴力をうけることなく平和的に礼拝をおこなう権利の尊重が含まれている。

本委員会は、事務総長に対し、その斡旋と調停能力を引き続き行使し、また影響力を持つすべての関係者に対し、この不安定な状況を緩和するため緊急に行動することを求める。本委員会は併せて、安全保障理事会および中東カルテットに対し、停滞している和平プロセスを活性化し、公正な平和の達成に向けた意味のある交渉を再開するように求める。

国際社会は、パレスチナ問題が国際法と関連する国連決議に沿ってあらゆる面で解決されるまで不変の責任を負っており、イスラエル・パレスチナ紛争の正当な解決と永続的な平和・安全に向けた解決への見通しを救うため、遅滞なく行動しなければならない。